浅煎りのコーヒーを淹れてみたら、思っていたより酸っぱかった。「豆がハズレだったのかな」「淹れ方が悪かったのかな」とモヤモヤしたことはありませんか。
実は当店でも「酸っぱい」と感じた一杯があります。ただしそれは浅煎りではなく、中深煎りの「午後三時。」でした。変えたのは蒸らし時間だけです。酸っぱさは、豆の焙煎度だけで決まるものではないようです。
この記事では原因を3つに分けて、見分け方と次の一杯で試す順番をまとめます。
浅煎りが酸っぱい原因は3つ|まずは豆か淹れ方かを見分ける
「酸っぱい」と「フルーティ」の違い
コーヒー豆はもともと果実の種です。そのためクエン酸やリンゴ酸などの酸を含んでいて、焙煎が浅いほど多く残りやすいと言われています。浅煎りに酸味があること自体は、ふつうのことのようです。
同じ酸でも、甘みや香りと一緒に感じられると「フルーティ」、酸だけが舌に残ると「酸っぱい」と感じやすいと言われています。問題は酸の量よりも、甘みとのバランスなんですね。
3つの見分け方
一般的には、次のような目安で考えられることが多いようです。
- 薄い・水っぽい・後味が短い+酸っぱい → 甘みが出きっていない「抽出不足」の疑い(淹れ方)
- 湯温や挽き目を調整しても、酸に加えて青っぽさ・穀物っぽさが残る → 焼きが浅すぎる疑い(豆)
- 甘さと一緒に明るい酸があり、冷めても嫌な感じがしない → 豆の個性(失敗ではありません)
1つ目なら淹れ方で変えられるので、まずはそこから見直すのが近道かもしれません。

原因①:淹れ方で酸だけが先に出ている
酸味は早く溶け出し、甘みはあとから出てくる、とよく説明されています。そのため湯温が低い・挽き目が粗い・抽出時間が短いと、酸だけが出て甘みが追いつかない「抽出不足」になりやすいようです。浅煎りの豆は硬いので、成分が出にくいとも言われます。濃さと抽出の関係はコーヒーが薄い・濃いと感じる原因は?「抽出率」で数字から理解するで整理しています。
蒸らしを延ばしたら、酸っぱくなった
冒頭の一杯の話です。豆は「午後三時。」(コスタリカ・中深煎り)。ハリオV60・中細挽き・粉15g・85℃・湯225g(1:15)、4回に分けて注ぎ、総抽出時間は2分30秒にそろえました。そのうえで蒸らしを「なし・30秒・60秒」に変え、淹れたて(約65℃)・60℃・40℃のタイミングで飲み比べています。
結果は30秒がいちばん良く、60秒は酸味が突出して「酸っぱい」一杯になりました。なしは色が明らかに薄く、冷めると特徴のない味でした(嫌な味ではありません)。
総時間をそろえたので、蒸らしが長いほど後半の注ぎは急ぎ目になっています。蒸らしだけの影響とは言い切れません。それでも、酸っぱいときに蒸らしを延ばすのが得策とは限らないようです。浅煎りで同じ結果になるかは確かめていません。詳しくはドリップの蒸らし時間は何秒がいい?なし・30秒・60秒を飲み比べてみたにまとめています。
原因②:豆の性質(浅煎りの酸と、焼きの浅さ)
浅煎りは、甘みや香ばしさが育ちきる前に焙煎を止めています。そのため同じ淹れ方でも、酸が前に出やすいと言われています。焙煎度ごとの味の違いは浅煎り・中煎り・深煎りの選び方をどうぞ。
また、焼きが浅すぎて火が通りきっていない豆は、酸っぱさや青っぽさにつながることもあるようです。焙煎する側としても、浅煎りは「きちんと焼けているか」を見極めるのが深い焙煎度より難しく、仕上がりを安定させにくいと個人的には感じています。当店の豆が4種とも中煎り以上なのは、これも理由のひとつです。
実際、焙煎のログを取るようになる前は、焼けているかどうかがやはり分かりづらかったです。いまは焙煎中の温度の移り変わりを記録できるソフト(Artisan)で、ログを見ながら焼いています。おかげで、生焼けは多少避けられるようになったと思います。
原因③:焙煎したてで味が出きっていない
焙煎したての豆は炭酸ガスを多く含んでいて、お湯となじみにくいと言われています。
当店でも、焙煎したての豆と1週間ほど経った豆とでは違いを感じます。焙煎したては香りが強いのに、味わいはさっぱりしていて全体的に弱いのです。時間をおいた豆のほうが抽出しやすく、しっかり味が出てくれる印象です。
味が出きらないと、酸が目立ちやすくなることもあるようです。なお当店では、焙煎したての豆のときだけ蒸らしを1分にしています。ただ、これが最適なのかはまだ確かめられていません。
次の一杯で試す順番
当店の淹れ方の基本は湯温85℃・粉:湯=1:15・蒸らし30秒〜1分・細口ポットです。ただしこれは、当店の中煎り・中深煎りの豆に合わせた値。浅煎りには一般的に90℃台がすすめられることが多いようで、85℃はそれより低めの設定です。
酸っぱいときは、次の順番で1回に1つずつ変えてみてください。
- 湯温を上げる:2〜3℃ずつ上げる方法が、目安としてよく紹介されているようです
- 挽き目を1段細かくする:深煎りの豆で挽き目を比べた実験では、細挽きにすると冷めてから甘みがぐっと前に出てきました(浅煎りでの結果ではありません)
- 蒸らしは30秒に:延ばすと逆効果になることもあります
うまくいったかどうかは、少し冷めてから飲んで甘さが出てくるかで判断してみてください。冒頭の蒸らし実験でも、冷めていく段階まで含めて味をみています。酸味が苦手で淹れ方を見直した記録は酸味のあるコーヒーが苦手なので淹れ方を見直してみたにもあります。
それでも合わないなら、焙煎度をひとつ深く
淹れ方を整えても好みに合わないなら、それは失敗ではありません。好みが少し深い焙煎寄りなのかもしれません。
いきなり100gは不安という方には、1袋から試せるドリップパックもあります。豆はオンラインショップでご用意しています。
まとめ:酸っぱさは、原因がわかれば調整できる
- 浅煎りに酸味があるのはふつう。問題は甘みとのバランス
- 薄くて酸っぱいなら、まず淹れ方を見直す(湯温→挽き目→蒸らし30秒の順)
- 蒸らしを延ばすと、かえって酸っぱくなることもある
- 焙煎したての豆は、味が出きらないことも
「もう浅煎りはやめよう」とあきらめる前に、「次は湯温を少し上げてみよう」と試してみてください。暮らしのワンシーンに合う一杯に近づけるはずです。当店の淹れ方の基本は淹れ方ページにまとめています。
文字数:約2,650字(URL・見出し記号を除く目算。`charCount`は3,879字だがリンクURL・記号を含む値)

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