おうちでコーヒーを淹れてみようと思ったとき、最初につまずくのが「豆をどこで買えばいいのか」ではないでしょうか。スーパーにも並んでいるし、街のコーヒー屋さんもあるし、ネットには自家焙煎のお店が山ほど出てきます。選択肢が多すぎて、かえって決められない。
自家焙煎の豆を焼いて売っている側から、場所ごとの違いと、「自分の場合はどこで買えばいいか」の決め方をお話しします。
コーヒー豆はどこで買う?初心者が知っておきたい3つの選択肢
先に結論を言うと、コーヒーを淹れる習慣がついてきたら、自家焙煎店のオンラインショップがいちばん失敗しにくいと思います。焙煎してからどれくらい経った豆なのか、見当がつくからです。とはいえ飲む量や生活によって答えは変わるので、まず3つの性格を並べてみます。
スーパー・コンビニ
いちばん手に入りやすく、価格も控えめです。袋に書かれているのは賞味期限で、焙煎日まで書かれている商品はそれほど多くありません。棚に並ぶまでの時間も読めないので、「早めに飲み切る前提の場所」と考えると付き合いやすくなります。まずコーヒーを淹れる習慣をつくりたい、という段階ではこれで十分だと思います。
カフェ・コーヒー専門店
お店の人と話しながら選べるのが最大の利点です。「苦いのが苦手で」と伝えれば、その場で合いそうなものを出してもらえますし、焙煎日も聞けば教えてもらえます。弱点は営業時間と立地。仕事帰りに寄れない場所だと、結局足が遠のいてしまいます。
オンラインショップ・自家焙煎店
種類が多く、家にいながら比べられます。小さな焙煎所が全国にあるので、近所では出会えない豆にも届きます。ただ、味見ができません。この不安をどう小さくするかは、後半でお話しします。
あなたはどれを選べばいい?
- 週に1〜2杯、まずは習慣をつくりたい → スーパー(そのぶん早く飲み切る)
- 週3杯以上、相談しながら決めたい → 近所の専門店
- 飲む時間が決まっている、または近所にお店が無い → オンラインの自家焙煎店
場所より先に見てほしい「焙煎日」と「飲み切れる量」
コーヒー豆は、焙煎した日を起点に味が動いていきます。ただ「新しいほどおいしい」かというと、実際はもう少し込み入っています。
量のほうは単純で、短い期間で飲み切れるぶんだけ買う。これが保存で失敗しないいちばん確実な工夫だと思っています。200gの袋が安く見えても、ひとりで月に数回しか淹れないなら、100gを2回買ったほうがおいしく飲めます。
私自身、焙煎したてのものと、1週間ほど置いたものを飲み比べたことがあります。意外に思われるかもしれませんが、焙煎したては香りこそ強いのに、味わいはどれも弱く、さっぱりと感じました。抽出しきれていないのだと思います。少し時間をおいた豆のほうが抽出しやすく、しっかり味が出てきてくれます。
つまり焙煎日が分かることの値打ちは、「新しいから安心」ではなく、その豆がいまどのあたりにいるのかが分かることです。焙煎したてなら蒸らしを1分ほどに延ばす、というように淹れ方を合わせられます(この話は焙煎直後にすぐ淹れるとまずい?ガス抜き(脱気)と味の関係を整理に詳しく書きました)。
豆のまま買うか、粉で買うか
粉は空気に触れる面積が一気に増えるので、豆のままより早く劣化すると言われています。これは実感としてもあって、同じ豆でも、豆のまま置いたものと挽いてしまったものでは、酸化するまでの時間が2週間ほど違うと感じたことがありました。ミルを用意する手間はありますが、鮮度を優先するなら豆のままをおすすめします。
飲み切る目安はコーヒー豆の賞味期限はどれくらい?美味しく飲める期間と長持ちさせる保存法にまとめています。
買ったあとの保存は、常温か冷凍か
当店では、焙煎した豆はキャニスターに入れて常温に置いておくことが多いです。注文を受けてからなるべく新しい状態でお渡しすると決めているので、そもそも長期保存を前提にしていません。お客様に聞かれたときも「基本は常温で大丈夫です」とお答えしていますが、1ヶ月以上かかりそうなら冷凍をおすすめしています。
私自身も保存に失敗したことがあります。口に入れてまず香りが弱いと感じ、続けて味も薄いと思いました。そのうえで酸化した嫌な酸味が残ります。まずいというより、そもそも味が出てこない、という感じでした。
くわしい使い分けはコーヒー豆の保存方法、常温と冷凍どっちがいい?をどうぞ。
オンラインの自家焙煎店を選ぶときの3つのポイント
注文を受けてから焙煎しているか
当店も、商品としてお渡しするものはなるべく注文を受けてから焼いています。袋に焙煎日を印字しているわけではありませんが、注文からの日数でだいたいの見当がつくのは同じことです。商品ページに「ご注文後に焙煎します」とあるだけでなく、焙煎日と発送日の関係まで書いてあるお店(「◯曜に焙煎して翌日発送」など)は、実際にその回し方をしているのだと思います。すぐ届くことより、焼きたてが届くことを優先してよさそうです。
味わいの説明が具体的か
「深煎り」「浅煎り」とだけ書かれていても、初心者には想像がつきません。そこから一歩進んで、どんな味がして、どんな場面に合うのかまで書かれているお店は選びやすいです。
少量から試せるか
そして、味見ができないという不安への現実的な答えは、失敗しても惜しくない量で試すことです。100g単位で買えるお店を選んで何種類か試すほうが、結果的に無駄がありません。当店の豆もすべて100gです。
迷ったら「いつ飲みたいか」で選ぶ
味の好みで選ぼうとすると、初心者ほど悩んだ末に決めきれなくなります。「酸味が穏やかでコクのある」と書かれていても、飲んだことがなければ判断のしようがありません。
そこでおすすめしたいのが、いつ飲みたいかで選ぶという決め方です。当店が「暮らしのワンシーンを焙煎する。」をコンセプトにしているのも同じ考えからで、商品名がそのまま一日の時間軸になっています。
| 飲む時間 | 豆 | 焙煎 | 味わい |
|---|---|---|---|
| 朝に | 窓辺。 | 中煎り | 青りんごのような爽やかな酸味と、澄んだ後味 |
| 午後に | 午後三時。 | 中深煎り | 花のような華やかな香りと、ダークチョコを思わせる甘い余韻 |
| 帰宅後に | おかえり。 | 中深煎り | チョコレートのようなやさしい甘さと、深いコク |
| 夜に | おやすみ前。 | 中深煎り | カフェインを気にせず楽しめるデカフェ。まろやかでやさしい甘み |
場面で選べば、少なくとも「飲むタイミングが無くて残ってしまった」という失敗は避けられます。
豆そのものへの興味が出てきたらコーヒー豆の品種の違い:有名品種の特徴と初心者におすすめの選び方も読んでみてください。
まとめ
- 焙煎してからどれくらい経ったか見当がつくお店で買う。分からないなら早めに飲み切る
- 飲み切れる量(迷ったら100g)にする
- 手間が許すなら豆のまま買う
- 1ヶ月以上かかりそうなら冷凍する
- 選ぶ基準は、味より先に飲む場面で
当店の豆はすべて100g単位で、オンラインショップからお求めいただけます。淹れ方は、お湯は85℃、粉とお湯は1対15、蒸らしは30秒から1分。この3つだけ押さえれば十分です。手順は淹れ方のページにまとめてあります。

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