「コーヒーが薄い・濃い」と感じたとき、何が起きている?
「なんか今日のコーヒー、薄いな」「逆に濃すぎて苦い」——ハンドドリップをしていると、こういう日がありますよね。豆も分量も普段と同じつもりなのに、なぜか味がブレる。
この「薄い・濃い」の正体を突き詰めていくと、コーヒーの世界では「抽出率」と「濃度」という2つの数値で説明されることが多いです。プロのバリスタやロースターの間では、味を感覚だけでなくこの2つの数値で捉える考え方が広まっていると言われています。難しそうに聞こえますが、考え方はシンプルです。
抽出率(収率)と濃度、何が違う?
濃度は、淹れたコーヒー液の中にどれくらい成分が溶けているか、という「液体そのものの濃さ」を表します。一般的に、濃度は1.15〜1.35%くらいが美味しいと感じられやすい目安だと言われています。
抽出率(収率)は、使ったコーヒーの粉から、どれくらいの成分を引き出せたか、という「豆に対する引き出し具合」を表します。適正な抽出率の目安は18〜22%前後(SCA=スペシャルティコーヒー協会の基準)で、これより低いと「抽出不足」、高いと「抽出過多」と言われています。
ややこしいのは、この2つは別物だということです。粉の量を増やせば、抽出率が同じでも濃度は上がります。逆に、お湯をたくさん使えば、濃度は薄くなっても抽出率自体は変わらないことがあります。「薄い」と感じたとき、それが濃度の問題なのか、抽出率の問題なのかを分けて考えると、直し方が見えてきます。
家庭でできる、薄い・濃いの原因チェック
粉の量が少ない/多い
もっとも単純な原因です。コーヒー1杯(150ml前後)に対して、粉の量は10g前後が一つの目安だと言われています。ここがブレると、抽出率が適正でも濃度がずれてしまいます。
挽き目が粗い/細かい
挽き目が粗いと、お湯に触れる粉の表面積が小さくなり、抽出率が上がりにくくなります。逆に細かすぎると、抽出率が上がりすぎて雑味・渋みが出やすくなります。「薄い」と感じたら挽き目をワンランク細かく、「濃い・苦い」と感じたら粗くしてみる、という調整がよく使われます。
挽き目ごとの違いをもう少し詳しく知りたい方は、コーヒーの挽き目と味の関係|細挽き・中挽き・粗挽きの違いを解説もあわせてご覧ください。
湯温・抽出時間
お湯の温度が高いほど、また抽出時間が長いほど、成分は溶け出しやすくなると言われています。温度を上げすぎたり、蒸らしを含めた抽出時間を延ばしすぎたりすると、狙っていたより抽出率が上がってしまうことがあります。
チャネリング(お湯の偏り)
粉の量・挽き目・湯温が同じでも、お湯の注ぎ方によって「薄い」と感じることがあります。ドリッパーの中でお湯が一部分にだけ偏って流れる「チャネリング」という現象が起きると、粉全体からまんべんなく抽出されず、結果的に薄く・味がぼやけた仕上がりになりやすいと言われています。中心から外側へ、まんべんなくお湯が触れるように注ぐのがポイントです。

Snowman Coffeeのレシピ(85℃・1:15)にはどんな考えがある?
Snowman Coffeeの淹れ方レシピは、湯温85℃・粉:湯=1:15を正としています。
湯温については、実際にいろいろな温度で淹れ比べる実験を行いました。その結果、「安定して嫌な味が出なかった温度」として85℃にたどり着いています。一般的によく見る88〜93℃という目安よりやや低めですが、狙って低くしたというより、実験してみたらこの数値になった、というのが実際のところです。
一方、粉:湯の比率(1:15)については、今のところ一般的によく使われる値をそのまま採用しています。ここはまだ突き詰めきれていない部分で、今後あらためて見直してもいいかもしれないと考えているところです。まさにこの記事で紹介した「抽出率・濃度」の視点で、比率側も一度実験してみる価値がありそうです。
まとめ:数値を知ると、次に何を変えればいいかが分かる
「なんとなく薄い」で終わらせず、原因を「粉の量」「挽き目」「湯温・時間」「注ぎ方」のどこにあるか一つずつ確認していくと、次に淹れるときの調整がしやすくなります。濃度・抽出率という数値は、それを言葉にするための道具のようなものです。
まずは普段のレシピを一つ決めて、そこから少しずつ変数を変えて飲み比べてみると、自分の好みの「ちょうどいい」が見つかりやすくなります。Snowman Coffeeの淹れ方ページや、オンラインショップもあわせてご覧ください。

コメント