コーヒー豆の精製方法とは?ウォッシュド・ナチュラル・ハニーの違いをやさしく解説

Snowman Coffee Roastersのエチオピア産コーヒー豆(実物写真)

※本記事の画像にはAI生成によるものが含まれます。

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精製方法とは?コーヒーの実から豆になるまでの工程

まず、コーヒーの「精製方法」って何のことか、というところからいきますね。コーヒーの木になる実(コーヒーチェリー)は、赤いさくらんぼのような果肉に包まれていて、その中心に種があります。私たちが普段飲んでいるコーヒー豆は、実はこの「種」の部分なんです。

果肉に包まれた種を取り出して、乾燥させて、生豆(なままめ)にするまでの一連の工程のことを「精製(プロセス)」と呼びます。コーヒーチェリーは外側から順に、外皮・果肉・ぬめり質のミューシレージ・パーチメント(内果皮)・薄皮(シルバースキン)・種子(生豆)という構造になっています。

この「果肉やぬめりをどう取り除くか、どのタイミングで乾燥させるか」というやり方の違いが、そのままコーヒーの香りや味わいの違いになって出てきます。同じ農園の同じ品種の豆でも、精製方法が違うだけで飲んだときの印象がガラッと変わることも珍しくありません。代表的なのが、これから紹介する「ウォッシュド」「ナチュラル」「ハニー」の3つです。

ウォッシュド(水洗式)の特徴と味わい

ウォッシュド(水洗式)は、収穫したコーヒーチェリーの果肉を機械で取り除いたあと、残ったぬめり(ミューシレージ)を水槽での発酵や洗浄によって落としてから乾燥させる方法です。発酵槽で一定時間おいてぬめりを分解させたのち、きれいな水で洗い流す工程が一般的だと言われています。

果肉やぬめりをしっかり取り除いてから乾燥させるため、雑味が少なく、すっきりとしたクリアな味わいに仕上がりやすいのが特徴です。酸味の輪郭がはっきりしていて、産地や品種そのものの個性が出やすい精製方法とも言われています。「コーヒー本来の味を素直に楽しみたい」という方に向いている、いわば王道の精製方法です。

一方で、水を大量に使う工程のため、雨季と乾季がはっきりしていて水資源が豊富な産地で採用されやすい方法だとも言われています。

ナチュラル(乾燥式)の特徴と味わい

ナチュラル(乾燥式)は、収穫したコーヒーチェリーを果肉ごと乾燥させてから、あとでまとめて果肉と皮を取り除く方法です。水をほとんど使わないシンプルな精製方法で、天日で2週間〜1ヶ月半ほど(気候や乾燥棚の条件によって幅があります)かけてじっくり乾燥させます。

果肉に包まれたまま乾燥が進むため、果肉の糖分や香り成分が種にじっくり移っていきます。そのぶん、ベリーのような華やかな甘さやフルーティーな香りが感じられやすく、口当たりにもとろみのような厚みが出やすいのが特徴です。個性がはっきり出る反面、乾燥のさせ方にムラがあると発酵臭のようなクセが出ることもあると言われています。

水があまり使えない乾燥した産地で伝統的に採られてきた方法で、精製方法の中でも最も歴史が古いと言われています。

ハニープロセスの特徴と味わい

ハニープロセスは、ウォッシュドとナチュラルの中間にあたる精製方法です。果肉は機械で取り除くものの、ぬめり(ミューシレージ)はあえて残したまま乾燥させます。

名前に「ハニー(蜂蜜)」とついているのは、乾燥中の豆の表面がぬめりの糖分でベタベタ・テカテカした質感になることに由来していると言われています。はちみつの味がするわけではなく、あくまで見た目や質感からきている呼び名です。

味わいとしては、ウォッシュドのクリアさとナチュラルの甘さ・厚みの、ちょうど中間的な仕上がりになりやすいのが特徴です。すっきりしすぎず、フルーティーになりすぎない、バランスの良さを求めるときに選ばれやすい精製方法とも言われています。

ハニーにも段階がある(ホワイト・イエロー・レッド・ブラック)

実はハニープロセスは、残すぬめりの量によってさらに細かく分かれています。代表的なのが「ホワイトハニー」「イエローハニー」「レッドハニー」「ブラックハニー」という呼び方です。

目安として、残すぬめりの量が少ない順に、ホワイトハニー(1割程度)→イエローハニー(2〜3割程度)→レッドハニー(5割程度)→ブラックハニー(ほぼ全量、日陰でじっくり乾燥)という段階で呼ばれることが多いようです。ぬめりを残す量が多いほど乾燥に時間がかかり管理の手間も増える一方で、より甘みや厚みが強く出やすい傾向があると言われています。

ただし、呼び方や区分の細かさは生産国・農園によって差があり、必ずしも世界共通の明確な基準があるわけではありません。パッケージに「イエローハニー」などと書かれていたら、「ぬめりをどれくらい残したものか」のおおよその目安として見るとわかりやすいかもしれません。

コーヒー豆のクローズアップ

精製方法によって味はどれくらい変わる?実際に飲み比べてみた

実際に、ナチュラルとウォッシュドの豆を飲み比べたことがあります(産地はたしかエルサルバドル産だったと記憶していますが、正直あまり自信はありません)。

感じた違いとしては、ウォッシュドの方がクセになる部分が少なく、全体的にさっぱりとした風味でした。ただこれは「産地の個性(テロワール)がぼやけて薄くなる」というのとは、少し違う感覚で。豆そのものが持つ甘味・酸味・苦味はちゃんとあるのに、それらが最後にすっと引いていくような、そんな印象を受けました。

ハニープロセスはまだ自分で飲み比べたことがないので、試したらまたこの記事に追記したいと思います。

まとめ:精製方法だけで選ばず、産地・焙煎度と合わせて考えよう

ここまでウォッシュド・ナチュラル・ハニーの3つを紹介してきましたが、精製方法はコーヒーの味わいを決める要素のひとつであって、それだけで味が決まるわけではありません。同じウォッシュドでも産地や品種が違えば印象は変わりますし、焙煎度によっても酸味・甘み・苦味のバランスは大きく変化します。

「クリアですっきりした味が好みならウォッシュド」「フルーティーで甘みのある味が好みならナチュラル」というように、まずは大まかな傾向をつかんでおくと、豆を選ぶときの手がかりになります。そのうえで、産地の個性や焙煎度合いも合わせて見ていくと、自分の好みにより近い一杯に出会いやすくなるはずです。

精製方法は、豆選びのヒントになる要素のひとつです。品種や産地、焙煎度とあわせて選ぶ基準を知りたい方は、コーヒー豆の品種の違い:有名品種の特徴と初心者におすすめの選び方もあわせてご覧ください。

Snowman Coffee Roastersでも、豆ごとに産地・焙煎度をラベルやオンラインショップでご紹介しています。気になる方は、ぜひオンラインショップもあわせてチェックしてみてください。

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この記事を書いた人

缶コーヒーから始まって、今では焙煎まで手を出している。
飲むたびに気になることが増え、それを整理するように発信中。

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