デカフェのカフェインは何%残る?家の1杯はおよそ0〜4mg、当店のレシピで計算してみました

おやすみ前。に使うコロンビア デカフェの豆

※本記事の画像にはAI生成によるものが含まれます。

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目次

デカフェのカフェインは何%残る? 家の1杯でおよそ0〜4mg

先に数字からお伝えしますね。

  • 日本の表示のルールでは、カフェインを90%以上取り除いたコーヒーを「カフェインレス」として扱う基準がある、と紹介されています。最大で1割ほどは残りうる、ということです
  • お店のデカフェを実際に測った研究では、16オンス(約470mL)で0〜13.9mg。家で飲む150mLに直すと約0〜4.4mg
  • 普通のコーヒー150mLは約90mgなので、多く見ても1/20ほど

デカフェは「カフェインゼロ」ではありません。ここからは、数字の出どころと、当店のレシピに当てはめた場合を見ていきます。

「何%残る」は表示のルールの話

90%という数字は、全日本コーヒー公正取引協議会の公正競争規約にある基準として、日本食品科学工学会の大会の発表要旨で紹介されています。規約の原文はまだ確かめられていません。なので「デカフェ」という言葉も同じ扱いなのか、何に対する90%なのかは、ここでは言い切らないでおきます。

よく見かける「97%」「99.9%」は、公的な基準や研究としての出どころを確かめられなかったので、この記事では使いません。

それに、除去率とカップに残る量は別の話です。もとの豆のカフェイン量や粉の量で、1杯に入る量は変わります。そこで次は、実際に測った数字を見てみます。

1杯あたりでは何mg? 150mLで約0〜4.4mg

アメリカの研究者McCuskerらは、2006年にJournal of Analytical Toxicologyで研究を発表しています。別々のお店で買ったデカフェ10サンプルを測ったところ、16オンスあたり0〜13.9mgでした。スターバックスの1店舗で繰り返し測ったものは、ドリップのデカフェが16オンスあたり12.0〜13.4mg、デカフェのエスプレッソが1ショット3.0〜15.8mg。著者らは、カフェインを避けるべき人に「デカフェにもカフェインが含まれうる」と注意を促しています。

家の1杯に直すと、

  • 150mLなら約0〜4.4mg
  • 200mLなら約0〜5.9mg

製品によって幅があるので、「デカフェ1杯=◯mg」とひとつの数字には決まりません。

当店のレシピ(1:15)に当てはめると

厚生労働省のQ&Aでは、日本食品標準成分表(2015年版・七訂)の値として、コーヒーの浸出液は100mLあたり60mg(粉10gを熱湯150mLで淹れた場合)と紹介されています。

粉10gに湯150mLは、ちょうど当店のレシピの粉:湯=1:15と同じ比率です。湯温は当店が85℃、成分表は熱湯なのでまったく同じにはなりませんが、目安にはなります。

  • 普通の豆を1:15で150mL:約90mg
  • デカフェを同じように淹れた場合:上の実測から約0〜4.4mg

淹れ方でカフェインの出方がどう変わるかはコーヒーでカフェインを多く摂る飲み方、焙煎度との関係は浅煎りと深煎り、カフェインが多いのはどっち?にまとめています。

デカフェ70%のブレンドは? SCAJ2026で試飲して

2026年10月のSCAJ2026で、デカフェ豆を使う割合を変えて味を比べる催しがあり、試飲しました。一番好きだったのはデカフェ70%のもので、きれいな酸味を感じました(豆そのものの好みもありそうです)。割合を変えるだけで、味ははっきり変わると感じました。

主催の方によると、この催しは完全なデカフェを目指すものではないそうです。普通の豆とデカフェを混ぜる割合でカフェインの量を加減して、飲む時間帯やその日の過ごし方に合わせて選べるようにする、という考え方でした。

一方で、混ぜる割合を変えたときに1杯のカフェインがどれくらい減るのかは、飲む人の感覚にゆだねる部分が大きいように感じました。そこで、上の数字を使って目安を計算してみます。

  • 残りの30%は普通の豆なので、150mLならその分だけで約27mg(90mg×0.3)
  • デカフェ部分に残る量(多く見て約3mg)を足すと、約27〜30mg

つまり、普通の1杯の3割強は残る計算です。割合を変えて味の違いを楽しむ飲み方として、とてもおもしろいと思います。一方で、カフェインをしっかり控えたいときには、完全なデカフェのほうが安心かもしれません。当店の「おやすみ前。」も、そう考えてデカフェで作っています。

妊娠中・寝る前は、どう考えればいいか

厚生労働省のQ&Aでは、海外機関の目安が紹介されています。

  • 英国食品基準庁(FSA):妊娠した女性は1日200mgまで
  • カナダ保健省:妊婦・授乳中・妊娠を予定している女性は1日300mgまで、健康な成人は1日400mgまで

一方で、1日の摂取許容量(ADI)は、日本でも国際的にも設定されていないとされています。

数字の上では、実測の上の方(16オンスで約14mg)のデカフェを大きなカップで3杯飲んでも約42mgです。ただ、お茶やチョコレートなど、ほかの食べ物からもカフェインはとっています。妊娠中の方や、体質・服薬の事情がある方は、かかりつけの医師に相談してください。

寝る前については、デカフェに残る数mgが睡眠にどう影響するかを示した確かな資料を、今回は見つけられませんでした。なので「デカフェなら眠れる」とは言えません。

当店の『おやすみ前。』について

当店のデカフェは『おやすみ前。』。コロンビアのデカフェを中深煎りにしています。

以前は「カフェインを気にせず楽しめる」と紹介していました。デカフェでもカフェインは少し残るので、いまは「カフェインを控えたい夜に」という言い方にしています。

「おやすみ前。」の生豆は、仕入れ先の資料によると、マウンテンウォータープロセスという方法でカフェインを取り除いたものです。コロンビアの豆をメキシコの工場(デスカメックス社)へ運び、山を源流とする水を使って、薬品を使わずにカフェインを取り除く方法だそうです。カフェインの除去率は98.35%とされています(いま使っている、2026年5月に入荷したロットの値です)。

これを上の「普通の豆を1:15で150mL:約90mg」に単純に当てはめると、1杯に残るのは約1.5mgという計算になります。ただ、除去率は生豆での値なので、淹れた1杯にそのまま当てはまるとは限りません。あくまで目安として見てください。

私自身、「おやすみ前。」は、デカフェではないコーヒーと比べると、全体の印象は薄めだと感じます。それでも、これまでに手に入れたデカフェの中では、いちばんコーヒーらしさが残っていました。

デカフェを選ぶときは、「◯%除去」や「1杯あたり◯mg」といった数字が表示されているかを見てみてください。数字があれば、上の計算で1杯のおおよその量が分かります。

夜の一杯を、少し気楽に。『おやすみ前。』はオンラインショップで、なるべくご注文をいただいてから焙煎してお届けしています。家での淹れ方は淹れ方ページにまとめています。

参考にした資料

  • McCusker RR, Fuehrlein B, Goldberger BA, Gold MS, Cone EJ. “Caffeine content of decaffeinated coffee.” Journal of Analytical Toxicology 30(8):611–613, 2006.(PubMed・抄録を参照)
  • 厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」(英国FSA・カナダ保健省の目安と、日本食品標準成分表2015年版(七訂)の値を掲載)
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この記事を書いた人

缶コーヒーから始まって、今では焙煎まで手を出している。
飲むたびに気になることが増え、それを整理するように発信中。

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