先に結論:迷ったらこの基準で
「V60とカリタウェーブ、値段も近いし結局どっちを買えばいいの?」への答えを先に書いておきます。
| こんな人 | 向いていそうなドリッパー |
|---|---|
| 注ぎ方を気にせず、毎回の味を安定させたい | カリタウェーブ |
| 蒸らしや注ぎ方で、味を自分で動かしてみたい | ハリオV60 |
「味の違いに自分で気づけるレベル?」については、正直にお伝えします。当店は2つを淹れ比べたことがないので、分かりません。 当店が普段使っているのはV60です。ただ、同じV60でも蒸らしの長さを変えただけで、味ははっきり変わりました。この話は後半で詳しく書きます。
構造の違い:穴の数と底の形
- ハリオV60:円すい形で、底に大きな穴が1つ。内側にはうずまき状の溝(リブ)があります
- カリタウェーブ:底が平らで、小さな穴が3つ。波型の専用フィルター(ウェーブフィルター)を使います
V60はお湯がスッと落ちやすい形で、ウェーブは一度たまったお湯がゆっくり落ちる形です。そのため「注ぎ方の影響を受けやすいのがV60、受けにくいのがウェーブ」と言われていて、「初心者はウェーブのほうが失敗しにくい」という説明もよく見かけます。味の傾向も、V60はすっきり、ウェーブはまろやかに寄りやすいと言われているようです。

同じV60でも、蒸らしだけでここまで変わった
ここからは当店で実際に試した話です。
豆は当店の「午後三時。」(コスタリカ・中深煎り)を使いました。焙煎から1ヶ月たって冷凍していた豆なので、お届けする豆とは状態が違います。V60・中細挽き15g・85℃・お湯225g(1:15)・4回に分けて注ぐ、という条件にそろえて、蒸らしを「なし/30秒/60秒」で比べました。総抽出時間は2分30秒にそろえたので、蒸らしが長いほど後半の注ぎは急ぎ目になっています。
飲み比べは、淹れた直後(約65℃)・60℃・40℃の3回です。
- なし:色が明らかに薄い。嫌な味ではないけれど、冷めると特徴がない
- 30秒:いちばんバランスがよかった
- 60秒:酸味が突出して「酸っぱい」
後味はどれもすっと消えて、ここには差がありませんでした。ドリッパー同士の差と比べたわけではありませんが、同じドリッパーでもこれだけ変わるのは確かです。蒸らしは長いほどよいわけではなさそうです。
どちらを選んでも、味を左右するのはこの4つ
ドリッパーを決めたあとは、次の4つで味が動きます。
- 蒸らし:上の実験のとおりです
- 湯温:以前noteで、市販の深煎りブレンドを使って83/88/95℃を比べました。95℃は渋みとえぐみが出て、83℃は冷めるとバランスが整ってクリーンな味に。熱いうちより冷めてからのほうが正直に評価できる、というのが発見でした
- 挽き目:同じ実験では、細挽きがいちばんよく、冷めると甘みが前に出ました。粗挽きは薄くて渋い結果です。挽き目によって「とろみ」が変わり、それが余韻を決めているようでした
- 鮮度:焙煎したての豆は香りが強いのに、飲むとさっぱりしていて、味が全体的に弱く感じます。1週間ほど置いた豆のほうが抽出しやすく、しっかり味が出ました
当店のレシピでは、焙煎したての豆のときは、蒸らしを1分くらい取るようにしています。実験で比べたのは焙煎から1ヶ月たった豆なので、焙煎したての豆で同じ結果になるかは、まだ確かめていません。
当店がV60を使っている理由
V60は円錐型ドリッパーの定番という印象があり、値段も手ごろなので、まず始めるにはちょうどいいと思って選びました。
一般に、V60は淹れる人の腕で味が変わりやすいと言われています。ただ私は、いろいろな抽出のしかたを試してみたかったので、むしろそこに惹かれました。
実際に淹れてみると、たしかに毎回の味にばらつきは出ます。それでも量や時間を計って淹れるようにすると安定してきて、そこに面白さを感じています。
なお、カリタウェーブは使ったことがありません。この記事のウェーブについての説明は、一般に言われていることをもとにしています。
選び方別のおすすめアイテム
同じ商品でも素材(樹脂・陶器・ガラス・金属など)によって価格が変わるようなので、購入前に販売ページで確認してください。
味を安定させたい人 → カリタ ウェーブドリッパー
- ウェーブドリッパー:155(1〜2杯)と185(2〜4杯)の2サイズ。自分用なら155で足ります
- ウェーブフィルター:専用品です。本体とサイズを合わせてください
味を動かしてみたい人 → ハリオ V60
- V60 透過ドリッパー:1〜2杯なら01、2杯以上や来客用なら02が目安です
- V60用ペーパーフィルター:円すい形なので、本体と同じサイズのものを選んでください
どちらを選んでも持っておきたい道具
- タイマー付きスケール:蒸らしを30秒から60秒にしただけで味が変わりました。秒数とお湯の量を同時に測れると、同じ味を再現しやすくなります
- 温度調節できる細口の電気ケトル:85℃を毎回守るなら、温度が分かるケトルがいちばん確実です。細口なら、狙った場所にお湯を細く注げます
まとめ:選んだら、85℃・1:15・蒸らし30秒から
- 迷ったら冒頭の表で選ぶ(安定させたいならウェーブ、味を動かしたいならV60)
- 最初の一杯は 湯温85℃/粉:お湯=1:15(粉15gならお湯225g)/蒸らし30秒〜1分/細口ポット で淹れる
- 味を変えたいときは、1回に1つだけ変える
詳しい手順は当店の淹れ方ページにまとめています。焙煎したての豆で泡がたくさん出るときは、蒸らしを1分ほど取ってみてください。
新しいドリッパーで淹れる最初の一杯に、暮らしのワンシーンに合わせて焙煎した当店の豆もぜひどうぞ。

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