焙煎プロファイル(温度カーブ)の読み方|手鍋焙煎で見るのは「1ハゼ・ディベロップメント・RoR」の3つ

Artisanで記録した焙煎の温度カーブ

※本記事の画像にはAI生成によるものが含まれます。

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目次

焙煎プロファイル(温度カーブ)の読み方は「3つ」に絞る

Artisanなどでログを取り始めると、何本も線が出てきて「どこを見ればいいの?」となりがちです。焙煎プロファイル(何分の時点で何℃だったかの記録)は、うまく焼けた回を再現するためと、違和感があったときに振り返るための道具と言われています。

最初は、次の順で3つだけ見れば十分だと思います。

  1. 1ハゼがどこに来たか
  2. 1ハゼから煎り止めまでの時間(ディベロップメント)
  3. 慣れてきたら、RoR(温度の上がる速さ)

私も手鍋で焙煎していますが、ログを取る前は、豆がちゃんと焼けているのかどうかがやはりわかりづらかったです。

温度計のプローブを挿した手鍋

この記事の数字の前提|手鍋+MS6514、熱電対は鍋底から5mm

  • 焙煎:蓋つきの手鍋。普段の量は150g
  • 温度計:MS6514にK型熱電対を挿し、ハブを介してMacにUSB接続。Artisanで温度の推移を見ています
  • 熱電対の位置:鍋底から5mmくらいで固定。焙煎中に豆に触れる位置を意識しています。持ち手の下のほうから差し込み、コードは持ち手に沿ってテープで留めています
線の名前ひとことで言うと
BT(Bean Temperature)豆の温度
ET(Environmental Temperature)豆のまわりの空気の温度
RoR(Rate of Rise)BTが1分あたり何℃のペースで上がっているか

プローブが1本なら、まずはその1本をBTとみなして形を見ればよいと思います。私も鍋蓋からプローブを差し込んでETを測ろうとしたことがありますが、プローブを固定するのが難しく、あきらめました。

先端が豆に埋まっているか、空気や鍋肌に近いかで表示温度は変わると考えられます。この記事の数字は「豆の温度そのもの」というより、うちの鍋・うちの差し込み位置での目安として読んでください。

温度カーブの読み方①|1ハゼの位置(手鍋で約200℃・7分)

私の手鍋では、1ハゼはおよそ200℃・7分くらいで来ます。

1ハゼの音は意外と小さいと感じたことがあります。ログがあれば「いつも200℃前後だから、そろそろかな」と画面を見ながら待てます。ArtisanにはFC START(1ハゼ開始)などを記録するボタンもあるようです。

大事なのは200℃・7分を正解として覚えることではなく、自分の鍋の基準値を持つことです。音・温度・色の組み合わせは1ハゼと2ハゼの見分け方|手鍋焙煎で音が小さいときに見る「音・温度・色」にまとめています。

温度カーブの読み方②|ディベロップメント率(中煎りは約20%)

1ハゼから煎り止めまでの時間が、焙煎全体の何%かを「ディベロップメント率(DTR)」と呼びます。Scott Rao氏は、優れた焙煎の多くが20〜25%に収まると述べているようです。ただ、焙煎度や機器によって幅があるとも言われています。

当店では中煎りのとき、Artisanでディベロップメントタイムを見ながら、だいたい20%になるよう調整しています。

中深煎りは割合ではなく、2ハゼの2〜3回目を目安にしています。2ハゼの入りは単発で鳴るので、1ハゼの残りと迷うことがあります。そんなときは、1ハゼからの経過時間とBTを画面で確かめると手がかりになります。私の手鍋では、2ハゼは225〜230℃くらい、時間にして9分前後で来ます。

温度カーブの読み方③|RoRは慣れてから

Scott Rao氏らは、RoRは序盤が高く、終盤に向かってなだらかに下がる形がよいと提唱しています。1ハゼのあたりでガクッと落ちる「クラッシュ」や、終盤に跳ね上がる「フリック」は平板な味(ベイクド)につながると主張していますが、異論もあるようです。手鍋で同じ理想形になるかも、正直分かりません。

手鍋で気をつけたいのは自分の操作の跡です。蓋を開けた直後などはBTやRoRが下がると考えられるので、そこはクラッシュと分けて読むのがよさそうです。また、RoRは短い間隔の温度差から計算するため細かい上下が出やすく、Artisanには線を慣らす設定もあるようです。私も、1ハゼのあとに蓋を開け閉めすると線が上下するのを見たことがあります。そのときは感度のような設定をいじって、カーブの動きを抑えるようにしました。多少ましにはなりましたが、いまでも蓋の開け閉めで上下してしまうので、まだ改善が必要だと感じています。

手鍋の失敗はカーブのどこに出るか|症状と、次に変える1つ

症状考えられること次に変える1つ
1ハゼがいつもよりかなり遅い予熱不足/量が多い鍋が十分熱くなってから投入。量は150g前後に
1ハゼ後に一気に進む蓋を閉めたままで温度が高すぎる1ハゼが終わるあたりから蓋を開け閉めする
刺激的な苦味、舌に残る渋み1ハゼ以降の進みが速すぎた可能性1ハゼ以降の蓋の開閉・煎り止め
生焼けっぽい1ハゼ後の時間(DTR)が短い可能性1ハゼからの時間を確保する
豆の表面に焦げ(スコーチ)豆を入れたときの温度が高すぎた(私の経験)豆を入れる温度を下げる

刺激的な苦味や渋みは、私は焦げに近いものだと思っています。焦げっぽい回のログを見返したことは、ほとんどありません。ただ一度だけ、焙煎後の豆にスコーチ(豆の表面の焦げ)があったときにログを確認したことがあります。あとで振り返ると、豆を入れたときの温度が高すぎたと気づきました。

煎り止めの後はログに出にくいのですが、余熱で焙煎が進みます。当店は園芸用の砂利ふるいをザル代わりにして、団扇であおいで素早く冷ましています。

同時にいくつも変えると、どれが味の差につながったのか分からなくなります。1回の焙煎で変えるのは1つだけにして、変えたことをログと一緒に残すのがおすすめです。

味の違和感の切り分けは手鍋焙煎の豆がまずい・燻し臭いときの原因の切り分け方で詳しく書いています。

同じ手鍋で焼いた豆を「答え合わせ」に

このブログを書いている Snowman Coffee Roasters は、この記事と同じ手鍋で、温度の推移を見ながら焙煎しています。普段は150g、1ハゼは約200℃、中煎りはDTR約20%、中深煎りは2ハゼの2〜3回目。手鍋でここまで焼ける、という答え合わせの1袋としてどうぞ。

中煎りの止めどきを確かめたいなら「窓辺。」、2ハゼの止めどきなら、ブラジルとケニアのブレンドで中深煎りの「おかえり。」が比べやすいと思います。

まとめ|焙煎プロファイルは「自分の鍋の基準」を作る道具

  • 見るのは1ハゼの位置 → ディベロップメント。RoRは慣れてから
  • 数字は人と比べるより、自分の鍋の基準として貯めていく
  • 次の焙煎で変えるのは1つだけ

温度カーブは正解を当てるものというより、暮らしのワンシーンに合う一杯を焼くための、小さな記録帳なのだと思います。

あわせて読みたい:自家焙煎コーヒーの始め方:初心者でも失敗しない自家焙煎のステップ

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この記事を書いた人

缶コーヒーから始まって、今では焙煎まで手を出している。
飲むたびに気になることが増え、それを整理するように発信中。

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